元刑事の探偵社であることのメリットとは

2019/10/12 探偵を探偵する
ヘリポート

皆さんもよく見かけると思いますが、探偵社の売り文句に「元刑事の調査員多数」「刑事歴○○年の探偵」なんてありますが、実際、元刑事は探偵に向いているのでしょうか?

 


探偵という職業で「元警察官(警察OB)」であるという肩書きを前面に出してアピールしている探偵も存在しています。


決して悪いことではありませんが、実際に警察官を退職した人が探偵としてすぐに活躍できるかというとそうではありません。

 

例えば秘密裏に捜査(内偵)している公安関係に所属していた調査官なら、探偵としても有能であるといえます。

 


しかし、一般的に言われる捜査担当の刑事さんなどは正直、探偵としては余り使えません。

 

なぜなら、警察官は警察官という職業看板(権力)があっての尾行、張り込み、聞き込みです。

 


探偵は当然、全く権力がありません。

 

探偵であることを隠してあくまでも一般人として尾行、張り込み、聞き込みをしなくてはならないのです。


「尾行」は調査対象者に気づかれないように、後ろから後をつけることです。


対象者が乗り物で移動する場合も多いので、車両で行なったりします。


「張り込み」は尾行途中に、建物の中に入った際に外で待機することです。


長いときは24時間以上張り込むこともあります。

 


「聞き込み」は調査対象の人に近い方に、話を聞きに赴くことです。


聞きたい情報をバレずに引き出すために、技術が必要となります。

 


確かに犯罪者への捜査での尾行、張り込みも楽では無いはずです。


しかし、探偵は依頼人から依頼された調査日に結果を残さなければいけません。


依頼人からの調査費用というお金を頂いているからです。

 

警察の捜査では、何日も何ヶ月も掛けて尾行、張り込みを続け対象者の情報を収集していきます。


しかも数人体制でバックアップもある程度完備されています。


張り込む先の近隣に対しても、身分を明かして協力を申し出ることも可能です。

 

 

ところが探偵の張り込みではそうはいきません。


数時間も張り込んでいると近隣の人から警察に通報されて職務質問(職質)がしょっちゅうあります。


限られた人数(一人でやらなくてはいけない場合もある)でしかも様々な制約のある中、限られた日数の中で我々は結果を出さなければならないのです。


例を挙げると半日以上もラブホテルの出入口が見える位置で交代もなく、立ち続けて張り込むなんて事は警察官ではあまり経験は無いはずです。

 

また聞き込みでも、警察官であるというバッジなり身分を明かせば、多くの人は聞き込みには全面的に協力をしてくれます。


簡単に玄関を開けて聞き込みに応じてくれて、しかも様々な情報を提供してくれます。

 

 

しかし、探偵は如何に玄関を開けて貰えるか、少ないチャンスから探偵としてのプロの技術が必要となるのです。


やっとの思いで玄関を開けてくれても話も聞いてくれず、こちらの身分も明かせずに聞き込みしても門前払いというケースが多いのです。


警察官ではそのような経験をしたことはほぼ無いはずです。


以上のような壁に元警察官はぶち当たってしまうのです。


警察官を退職した時点でただの一般人です。

 

今までみたいに警察(国家)の権力に守られた尾行、張り込み、聞き込みなどが今まで通り簡単にできない事をようやく思い知らされるのです。

 

そんな状況にも克服し探偵として大成した元警察官も僅かながら存在していますが、多くの探偵に転職した元警察官は探偵業をなめていたのが、その現実に挫折する人も多くいるのが現実なのです。

 

そもそも、定年退職以外の理由で辞めた元警察官は、どうして将来も安定した地方公務員である警察官を途中で辞めてしまったのでしょう。

 


探偵に憧れて転職した元警察官はまずいません。

 

何故なら、警察官は探偵の事を自分たちより確実に下に見ている事を、探偵を続けていると思い知らされる経験が沢山あります。

 

主に警察官を辞めた理由は

 

●何らかの問題を起こした為に辞めざるを得なくなった

●警察組織の人間関係に馴染めなかった

●上司や同僚に虐められた

●健康・精神上からの理由

 


上記の理由で辞める人間が殆んどで、その下に見ていたから仕事も余裕だろうと安易に探偵になる元警察官の受け皿に探偵がなっています。

 

元刑事としての、警察の頃のコネを使い、警察から情報を流してもらうことや、元刑事という立場を使い強制的に調査に協力してもらうような、元刑事の力を使った調査を探偵として行なうことは当然できません。

 

もし仮に行ったとすると、法律違反となるために、罪に問われる可能性もあります。

 

実際私も昔調査員だったころ、調査中に依頼者が対象に調査している事をバラしてしまったことから、警察を呼ばれ、警察署での取り調べの際に、警察官に


「ひよっとして、元警察官の方ですか?」

 

と聞かれたことがありました。

 


勿論このようなブログを書いている時点で私は元警察官ではありませんが、

元警察官だったら何かしてくれるの?

と尋ねたい気持ちでいっぱいになりました。

 

内牧温泉

◆元刑事は年間平均で1万人生まれる

 

警察は公務員であり給与も安定しているので、安定職として認識している人が多いと思われます。


ところが、現実には毎年多くの警察官が現場から離れている(辞める)ようです。


年度別    退職者数

2011年(H23)    10,479人
2012年(H24)    11,211人
2013年(H25)    10,673人
2014年(H26)    9,992人
2015年(H27)    9,968人
参照元:警察庁「警察白書 平成28年版 警察の体制 地方警察官の退職者数の推移」


警察庁がまとめた「警察白書 平成28年版」によると、退職者数は平成24年度が1万1000人超と最も多く、最近でも1万人前後で推移しています。


この1万人の中で、家業を継ぐなど次の職が決まっている人もいますが、全く違う仕事に就く人も多くいるようです。

 

この数字から感じられることが全てです。

 


要するに元刑事である方が、前職を明かしているという点でマシかもしれないが、探偵という仕事にとって大きなメリットではないという事です。